日本市場向けにNR200Pの桜カラーが発売されましたのでシンプルに組み上げてみました。
NR200を選択した経緯
今回のPC用途は動画編集なので、3.5inch HDD 1台を含むストレージが3つ以上積めることが条件で選びました。
この条件を満たしているケースは、CoolerMaster NR200とRaijintek METIS PLUS くらいしかありません。
最後まで悩みましたが、METIS PLUSは奥行が小さい反面、メンテナンス性に難があることから、NR200を選択することにしました。
ケース仕様と特筆する部分
ケースの大きさ
mini-itxとしては少し大きめですが、奥行が400mm以内というのがポイントです。
ケース背面から4-5cmくらいはコネクタの出っ張りがあるので、奥行400mmの棚でもはみ出さずに設置できますので、すっきりします。
適合マザーボード規格
適合するマザーボードは、Mini DTX, Mini ITX, Max MB size: 244 x 226mm (L x H)
Max MB sizeという表記で記載されているので、コネクタパネル側の幅が226mmまでのMicroATXマザーが入るということになります。NR200のL/Hの位置関係は、マザーボードメーカの表記と逆になりますから、マザーボードspecと写真をよく見て確認してください。
このサイズで作られているMicro ATXマザーボードは、ASUSのPRIMEシリーズやASrockの一部廉価グレードが適合します。Mini-ITXのマザーは総じて価格が高いため、MicroATXがサポートされているだけで5,000yenもコストが下げられるのは素晴らしいです。
廉価マザーボードは、オーバークロックができないとか、インフェースが少ないとか、性能にあまり影響しないところで価格が違うだけなので、一番安いマザーボードで必要十分です。
もう一つ適合するメーカにBIOSTERがあるのですが、ここの製品はスリープが出来なかったり、ケースファンのPWM制御ができなかったりと、機能を削ったコストダウンをされていますので、注意が必要です。私もサーバー機用に1枚持っているのですが、あとでHPをよく見ると、確かに機能は記載されておらず、ケースファンは全開で回ってしまいます。
どのような製品でもスペックで無いものを見抜くのは、きわめて難しいので、マザーボードはASUSやASrockあたりが無難でしょう。メジャーメーカは、リピーターを確保する上で変な仕様のものを出しませんからね。
ドライブベイ
ドライブベイのスペックは以下の通り記載されています。
- 3.5" DRIVE BAYS3.5" DRIVE BAYS1 (Max. 2)
- 2.5" / 3.5" DRIVE BAYS (COMBO)
- 2.5" DRIVE BAYS 2(Max. 3)
要するにMAXで3.5inch×2 , 2.5inch×2の最大4ドライブです。ここまで積めるのはなかなかありません。
組み込んでから判明したのですが、MicroATXマザーを使うと、電源とHDD取付位置が干渉するので、最大3ドライブとなります。これも製品スペックでは、なかなか読み取れません。
クリアランス
最近のケースはファンやグラボのMax dimension がクリアランスとして表記されています。
- CPU COOLER 76mm (GPU in vertical position), 153mm (tempered glass side panel), 155mm (vented steel side panel)
- PSU 130mm
- GFX L: 330mm (incl. power connector), H: 156mm (incl. power connector), W: 60mm (triple slot)
NR200は、大型クーラー、グラボも入ります。条件によりいろいろな制約が出るので、そのあたりは、数字みて検討するか、youyubeで検証している方の動画を見るほうが良いと思います。
またNR200Pには、グラボのライザカードが添付されており、グラボの設置向きを90度変更することができます。ただし、このライザカードは、高速信号の配線を伸ばしているだけなので、うまく動かないことがあります。個人的にはノイズが乗って不安定になるのが怖いので、あまり使いたくないです。
電源は、小型ケース用のSFX規格が適合します。ATX電源も入ることは入るのですが、奥行が130mmまでなので、剛力短などのショートバージョン電源の1択になると思います。
またATX電源を入れる際には、別途ブラケットが必要となります。ブラケットは国内向けでは販売されておらず、公式サイトで3Dプリンタのデータが提供されているまでです。
ここまでコストと手間がかかるならSFX電源を買った方がよさそうです。
組み立てのしやすさ
組み立て作業は、とてもやりやすいです。フレーム構造でかなりの部分までばらせるため、組み立てる上での障害はほとんどありません。
前面、側面のパネルがプラスチックのキャッチクリップになっているので、ドライバーを使う頻度がとても少ない上、2.5inchドライブも本体前面から交換できるので、動画作成のようにドライブを交換する作業にはとても適したケースです。
これまのでケースの中でも1番組み立てやすいし、メンテナンス性も申し分ありません。
このケースの惜しいところ
商品として惜しいところは、2つありました。
一つ目は、MicroATXをいれる場合は、キャッチクリップを外さないといけないところです。これはマニュアルにも書いておらず、自分で対処するしかありません。
二つ目は、フレーム構造のため、個体によりガタつきがあります。
私は、NR200とNR200Pの2台を持っているのですが、NR200Pのガラスパネルは”はめ合い”がきついのでガタつきはあまり出ません。
しかし、スチールパネルをはめた場合は”はめ合い”が緩いので、フレームがゆがんだままで足が水平にならず、ガタガタします。
何度となくバラして組みましたが、このガタつきを矯正する決定的な方法が見つかりませんでしたので、足に5mmくらいのゴムを貼って対策するしかありませんでした。
総じて優秀なケース
ストレージが4台はいること、大型グラボが入ること、MicroATXマザーも使えること、塗装が丁寧なこと、など良いところがたくさんあります。
特に他のケースではストレージが2~3台のところ、3.5inchHDD2台を含む、合計4台入るのはファイルサーバー(Linux)のケースとしても最適です。
さらに価格もNR200なら8000円とリーズナブルなのに、質感は高級ケース並みだと思います。
どこようなユーザー層にも使えるおすすめのケースですね。
PCケース NR200 Sakura Limited Edition
https://apac.coolermaster.com/jp/case/mini-itx/masterbox-nr200p-sakura-limited-edition/
ASrock M510M-HDV/M.2