ソフトウェア無線SDR#(SDRsharp)にチャネルスキャン機能を入れましたので、インストール方法を解説します。
チャネルスキャン機能は、飛行場などでエアバンドを受信するとき登録チャンネルを高速に巡回する機能で、ほとんどの市販広帯域レシーバーに備わっている機能です。
SDR#のチャネルスキャン機能は、市販の広帯域レシーバーと遜色のない機能を実現してくれますし、スキャン中に受信した音声録音もできますので、おすすめのプラグインです。
HF帯でよく使われるHDSDRには、このチャネルスキャン機能はありませんので、エアバンドを受信するときはSDR#一択です。
おすすめのプラグインはFreqency Manager
チャネルスキャン機能を実装するプラグインは複数ありますが、お薦めはFreqmanです。
- Freqman:ロシア在住のソフトウェア無線愛好家の方が製作されたプラグインで以前の記事でも紹介していました。世界情勢の影響によりサーバーが閉鎖されて入手難の状態が長く続いていましたが、ようやく別サイトに転載されました。
以下のプラグインもチャネルスキャンが搭載されているようですが、バンドの始点と終点の電波を調べるトレーススキャンがメイン機能となっているため、筆者は使用していません。
- Frequency Manager Suite:RTL-SDR.COMでトップに紹介されているプラグインです。機能はいろいろあり、チャネルスキャンも出来るようですが、設定が超絶に面倒でしたので、筆者は使うのを断念してしまいました。
- Freqscanner:RTL-SDR.COMで2番目に紹介されているプラグインです。チャネル状態の可視化プラグインですので、残念ながらチャネルスキャンする機能はありません。
Freqman(Frequency Manager)のインストール方法
ここからFreqmanをダウンロードして展開します。
Freqmanの圧縮形式は7z(7-zip形式)となっていますので、フリーウェアの7-zipをインストールして展開します。
以前は「freqman.zip」というファイル名でしたが、googleさんにウィルス扱いにされるようになったため、最近は7z形式で配布されているようです。
SDRSharp.FreqMan.dllを\sdrsharp-x86\Pluginsフォルダに手動でコピーします。
Plugins.xmlをメモ帳で開き、以下の"add key=..."の行を追記します。
add key=の文字列は、pdfファイルに記載されていますので、一度確認しておくと良いでしょう。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?> <sharpPlugins> <add key="Frequency Manager" value="SDRSharp.FreqMan.FreqManPlugin,SDRSharp.FreqMan" /> </sharpPlugins>
設定後、SDR#を起動して、メニューをプルダウンすると、下段にあるPluginsが出現しています。
そこから、Freqency Managerを選択し、Freqency Managerの操作画面が開けばインストール成功です。
▶️マークをクリックし、SDR#を受信状態にしたあと、Newをクリックし、スキャン対象の周波数、チャネルグループ名などの情報を記載します。
記入されたチャンネルはsdrsharp-x86フォルダ内のFrequencies.xmlに記録されています。
大阪近郊の空港エアバンド、AMラジオ、FMラジオ、短波放送、気象FAXなどのチャネルを記載したxmlファイルを上げておきますので、適宜ご利用ください。
Frequency Managerの使い方
Scanをクリックすると✓されたチャンネルに対してスキャンが始まります。
受信検出時間、検出後の停止時間は、ポップアップ画面で変更も出来ます。
スキャンの感度は、Squelch(スケルチ)やRFゲインを調整して、ノイズへの感度を調整することも出来ます。
スキャン停止は、Scanのポップアップウィンドウを×で閉じます。
最初化ではスキャン機能が動作し続けているため、注意してください。
録音については標準プラグインのAudio Recorderで行えます。
無音部分も録音対象になるため、ステレオだとファイルサイズが大きくなります。
エアバンドを録音する場合は、mono, 16bitあたりにしておくのがおすすめです。
SDR#は安定度が向上し使い方も簡単
SDR#はバージョンが上がるにつれて、着実に動作品質が上がっています。
チャネルスキャンのプラグインも、動作させるまで大変苦労したように思いますが、現時点でのバージョンは苦もなく動くようになりました。
チャンネルスキャン機能を実装すると、ハンディ型の広帯域受信機の性能をほぼ網羅することができ、アナログ無線受信は一通り楽しめると思います。