概要
前回のソフトウェア無線SDR#導入でパソコンに広帯域受信機の機能を付加することが出来ました。
このままでは単に受信できるという機能が追加されただけなので、常時電波がでている放送局くらいしか受信できません。無線の通話は、1つのチャンネルで、交互に間欠で電波が発射されるため、周波数を合わせたときは電波が出ておらず何も聞けなかったということになりかねません。
これを解決するのがチャンネルスキャン機能です。一昔前の広帯域受信機の世界では、受信性能よりスキャン速度と捕捉精度が重視されるくらい必須の機能です。
今回は、効率よく電波の有無をスキャンできる「チャンネルスキャン機能」のプラグインを追加しました。
このプラグインは、かなり前に作られているのですが、SDR#の動作が安定していなかったので、あまり使っていませんでした。
SDR#が、2021-03のアップデートにより、Windows10上での動作がかなり安定したので、このプラグインをしばらく使ってみたのですが、エアバンド受信でもコケることなく動いてくれたので、実用することが出来ました。
本記事では、チャンネルスキャナープラグインのインストールと使い方の解説をしていきたいと思います。
プラグインの入手
プラグインはロシアの方が作っておられるので、ここからダウンロードさせていただきます。
ロシア語は全く読めませんので、googleさんに翻訳してもらうと、プラグインのページを見つけることが出来ますので移動します。
プラグインのタグから、スキャナのプラグインをダウンロードします。ダウンロードサーバが落ちている場合もあるので、時間をみてダウンロードしてください。
補足:2022.02 RTL-SDR.RUのダウンロード先リンクが切れている状態が継続しており、ダウンロード出来なくなっているとの情報をいただきました。本モジュールはGPL相当ですので掲載も可能ですが諸事情により当面掲載を見合わせします。入手されたい方は個別対応としますので、以下ページのご案内を参照ください。
プラグインのインストール
プラグインを展開すると3つのファイルが出てきますので、それらのファイルを使ってインストールを行います。インストールは次の2手順が必要です。
SDRsharpのフォルダにDLLをコピー
SDRsharpのplugins.xmlの編集します。
メモ帳を使って、MagicLine.txtを開き、Frequency Managerと記載されている1行をコピーして、plugins.xmlに追記します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?> <sharpPlugins> <add key="Sample Plugin" value="SDRSharp.Sample.SamplePlugin,SDRSharp.Sample" /> <add key="Frequency Manager" value="SDRSharp.FreqMan.FreqManPlugin,SDRSharp.FreqMan" /> この行を追加 </sharpPlugins>
これでインストールは完了です。
プラグインの使い方
SDR#を再起動して、プラグインのウィンドウをアクティブにすればスキャナーが使えます。
スキャナーする周波数を入れて、チェックをするとスキャンが始まります。停止する感度は左のスケルチで設定できます。
スキャンする周波数を登録するときには、検波方式(NFMとかAM)を合わせてから入力ください。
スキャナーにメモリーした周波数の検波方式は、SDR#上で修正できませんでした。検波方式を変えたいときは、もう一度入力するか、スキャナーのxmlファイルを直接編集する必要があります。
使ってみての感想
とても安定しています。ハンディ受信専用機と遜色ない動作をしてくれます。
ハンディ受信機と比べると、検波精度が甘いとか、周波数がずれる、ノイズが多いなどの欠点もありますが、電波が弱い時に必要な性能なので、近隣の強電界の無線を受信する上では必要十分です。
以前はアイコムのIC-R6を所有していたのですが、自分の使い方ではこのSDR#で十分だったのでヤフオクで売りました。
周波数リスト(参考)
一般のアナログ盗聴器の周波数
398.605MHz(Ach)
399.030MHz(Cch)
399.455MHz(Bch)
361.825MHz
397.250MHz
398.640MHz
399.250MHz
399.605MHz