大変楽しいソフトウェア無線ですが、付属のアンテナの性能の低さには大いに不満がありました。
またUSBドングル側のノイズ対策が甘く、接続するPCによるフロアノイズ(白色雑音)のレベルも気になっていました。
今回はこの2つの改善を図るべく、お手軽な改造をして、効果の度合いを検証してみました。
アンテナの改造
付属のアンテナは12cmで強電界のUHFを受信する上では申し分ないのですが、VHF帯を受信するには少し短すぎます。
そこで園芸用の2.0mmアルミ線で長いアンテナに改造してみました。
やり方は簡単です、付属アンテナを止めているネジ部分にアルミ線を強く巻き付けて、聞きたい周波数の4分の1波長で切断するだけです。
今回のアンテナ長は、FM放送80MHzに合わせて、v=fλから、1/4波長で94cmとしました。
エアバンドは120MHzですので、1/4波長で60cmくらいに調整すればばっちりです。
アンテナ改造の効果確認
遠方の少し電波の弱いFM放送を受信状態にして、付属アンテナとアルミアンテナで電界強度を比較したところ、アルミアンテナのほうが飛躍的に感度が向上したことがわかります。
付属のアンテナの場合
製作したアンテナの場合
SDRは電界強度が見れるので効果が視認でき、とても面白いです。
USBドングルのノイズ抑制
あとで購入したRTL-SDR.COM V3と比較して判明したのですが、激安のUSBドングルはノイズ対策が今一つで、PCからのノイズが混入して雑音になっているようです。
雑音の低減をいろいろと試してみたところ、PCからのノイズをフェライトコアで抑制することで、簡単に格段にノイズが減りました。
使ったフェライトコアはTDKのZCAT2035です。減衰度合いは大きさによって変わりますが、これくらいのサイズが家庭で汎用に使えるので複数個持っていました。
ファライトコアは高周波成分のみを減衰させることができるので、通信ケーブルに巻きすぎないように注視します。私は通信機器の給電部分に巻きまくってます。
フェライトコアをUSBケーブルに巻いてみると、効果がすぐわかります。フロアノイズが激減します。
2ループを巻くと、さらに減ります。3ループ以上は変わらなかったので、2ループで十分でしょう。
フェライトコアの効果はスペアナ(スペクトラムアナライザ:300~1千万円くらいする測定器)でしか見れないものなので、これまでEMC試験場でしか見たことなかったのですが、今回自宅で初めて可視化できて、感動ものでした。
まとめ
SDRのお手軽改造を2つご紹介しました。アンテナはもっと良い作り方もたくさんありますが、園芸用アルミ線は試行錯誤に向いているので、こういうアナログ部分には適していると思います。