任天堂スイッチ ジョイコン誤動作を分解清掃だけで復活させる

Repair/ Renewal

任天堂スイッチで遊んでいると必ず発生するジョイコンアナログスティックの誤動作を起こします。

この誤動作は定番故障として世界中にしられています。一部の国では耐久性がなさすぎるという理由で国からメーカに苦情がだされているそうです。

修理はスティック部品交換が一般的な方法となります。部品交換で直るのでアナログスティックの互換部品もたくさん売られています。互換品のお値段は2個で約1,000円ですが、相当売れるのかいろいろな会社が作っているようです。

しかし、以前高品質と宣伝していたネットショップから互換品を買ってみて交換したのですが、スティックを倒した時に異音がするので、いまひとつ満足感が得られませんでした。

そこで、元の純正スティックの分解清掃にダメ元でトライしたところ、見事に復活して、1年は問題なく使えているので、私が実施している分解清掃方法をご紹介したいと思います。

誤動作の原因ははっきりしている

誤動作の原因は、アナログスティックの抵抗接点の汚れです。

アナログスティックの検出原理は、以下のオームの法則を応用したもので、抵抗成分を含んだ基板の上を、スティックの電極がスライドする構造になっています。

オームの法則 V=R×I (V:電圧、R:抵抗、I:電流)

スティックをスライドさせると、抵抗Rの値が変わることにより、電圧Vの値も変わります。スティックの傾き情報は電圧Vの値をADコンバータで読み取ることにより、座標に変換しています。

この方式はコストが安く、光や熱による誤動作がほとんどないという利点がありますが、所詮アナログなので電極が汚れるなどして、電圧Vが不安定になると誤検出を起こすという欠点があります。

したがって、この黒い汚れを除去すればスティックの誤動作は全治します。また再度汚れにくいようにするために接点復活材の塗布も延命に有効です。

ジョイコンの分解

ジョイコンのケースはY型のベンツネジでとめられているので、開けるためには特殊工具が必要です。

私はアイネックスのTL-015という特殊工具セットを使っています。ジョイコンに適合するビットはYの0番です。

ベンツネジはなめやすいので、ネジを回すときはドライバーをしっかりと押し込んで回すようにします。

ケースのネジがはずれたら、ケースを開けます。ケースは弱いツメでとまっているだけなので、ケースを割らないように開けます。

スティック部品の取り出し

スティックは電池の下にあるので、電池を持ち上げて、精密ドライバーでプラスネジを外します。

スティックは基板とFPCケーブルで接続されていて、コネクタが抜け止めタイプです。コネクタの抜け止めを解除して、フラットケーブルを引き抜けばコネクタから取り外せます。

あとはスティックを止めている2本のプラスネジを取り外せば、スティック部品が取り出せます。

スティック部品の分解(失敗リスクあり)

汚れは部品の中にある電極で生じているので、スティックを分解していきます。

純正スティックは板金で3か所カシメられているので、カシメをマイナスドライバーで外します

カシメは折れやすいのですが、1箇所でも残せば、再度閉じて固定が出来るので、分解成功と思って良いです。もし、全部折ってしまうと板金を再度カシメて止めることが出来ないので、あきらめて部品交換としたほうが良いかもしれません。

カシメを外した後は、横の大きいほうのツメにマイナスドライバーを入れたら、スティックが分解できます。

このとき中の部材が散乱する場合がありますので、できるだけ作業マット上で作業したほうがいいと思います。

スティック部品の洗浄

スティックの中にはFPC基板と電極があるので、汚れている部分をエレクトロニッククリーナーで軽く洗浄します。FPCケーブルの電極は印刷されているだけなので、こすって傷めないようにしてください。

電極にはサンハヤトの接点復活材を塗布しておくと、抵抗接点の表面に合成被膜ができ、次に汚れて不良になるまでの時間がかなり稼げると思います。

スティック部品の組み立て

スティックの組み立ては部品の場所を間違えると動かないので、写真を参考にして部品を戻します。

静止画ではわかりにくいので、記事の終わりにある動画も参考にしてください。

部品を組付けたら、ネジが飛ばないよう注意して、板金をはめ戻せば清掃は完了です。

ケースの組み立て

ケースは、分解と逆の順番で組み立てますが、フラットケーブルの挿入とプラスネジ締めがかなり難しく、工具を使った方がよいと思います。

フラットケーブルの挿抜はホーザンのP-888ピンセットプラスネジはベッセルの精密ドライバーを使うと、楽に作業できます。

動作テスト

任天堂スイッチのスティック補正という調整モードで動作作テストをします。

原因を完全に除去しているので、組み立てに失敗していなければ、スティックは新品同様に動くと思います。

またカシメ部分が折れなければ、何度でもこの洗浄修理でスティックは復活します。

もしスティックのゴムが劣化している場合は、さすがに寿命だと思うので、互換部品に変えても良いと思います。


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