これまで使ってきたソフトウェア無線USBチューナー「RTL-SDR.COM V3」は、5,000円という価格の割に精度も良く、大変すばらしいチューナーでした。
しかし、チューナーICはワンセグ受信用に設計されたRTL2832ですので、受信帯域が2.5MHzと汎用SDRとしては狭く、フルセグTV(帯域幅6MHz)も受信できないので、新たに広帯域チューナーを導入することにしました。
機種選定
RTL-SDR.COMのサイトでは、親切にもチューナーの比較表が掲載されており、要約すると次のようになります。製造元が競合ハードウェアを比較しているというのも珍しいですね。
SDR | 受信周波数(MHz) | 受信帯域幅(MHz) | ADC分解能(bit) | 送信 | 価格 |
RTL-SDR.COM | 1~1,600 | 2.56 | 8 | × | 5000円以下 |
Airspy | 24~1,700 | 10 | 12 | × | 2.0万円~ |
SDRPlay | 0.1~2,000 | 8 | 12 | × | 1.8万円~ |
HackRF | 30~6,000 | 20 | 8 | 〇 | 1.5万円~ |
USRP | DC~6,000 | 64 | 12 | 〇 | 10万円~ |
この中でUSRPはフルFPGAで組まれているようで、抜群の性能を誇りますが、お値段も10万円くらいと超お高くとても手が出せません。
予算は2万円以下にしたかったので、SDRplay(RSP1a)とHackRF oneで数週間悩んだところ、受信帯域と受信周波数の広さからHackRF oneを選択しました。
またHackRF Oneは、サンプリング処理でPCのマシンパワーも必要となりそうなので、デスクトップPCメインで使う予定です。PCの前面コネクタは何かとよく使うので、背面ポートからの引き回しで着脱を容易にするため、USB延長ケーブルは1mのものを追加購入することにしました。
HackRF Oneの仕様
HackRF Oneは、GitHubに投稿されているオープンソースのハードウェアとなっており、基板は数種類の製造元があるようです。
Githubに投稿してる開発元が製作している製品は4万円くらいしますが、中国で安く作られたものは2万円以下で購入できるようです。
販売サイトを調べてみると最安値はAliexpressとBanggedのようで、フルセットでも1.3万円程度で購入できます。しかし、中国ECサイトは個人輸入となり、トラブル時は面倒な交渉が必要になるようで不安がどうしても残ります。
今回は、そこそこ高額な商品ですので価格は若干高くなりますが、いつものAmazonで購入することにしました。Yahoo!でも輸入代行という形で売られていますが、保証と信頼ならAmazonでしょう。
ただし、Amazonでもマーケットプレイス店舗でしか扱っていないため、中国からの直発送となり到着までには2~3週間かかるようです。
今後の用途
HackRF Oneは受信可能周波数が6GHz、帯域幅20MHzと、とにかくワイドレンジです。
当面は、RTL-SDR.COMで出来なかった以下のものをやってみたいと思います。
- スペクトラムアナライザでVCCI測定や電波混雑具合の可視化
- フルセグテレビ受信(BS、CSも可能なはず)
- スピード取締り電波の受信 etc...
分解能は8bitと小さいですが、RTL-SDR.COMでも不満は無かったので、 12bitでも大差はないものと思います。
また送信も出来るのですが、電波法で定める微弱電波に収まるかの確認は取れていないので、当面は使うつもりはありません。
商品が到着しましたら、またレポートいたします。