スキーでアクションカメラAKASO Brave7を使いこなす

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先日購入したアクションカメラ AKASO Brave7を長野県の志賀高原スキー場で初使用してきました。

志賀高原は標高1,500mという高所のスキー場です。入場時は寒波が到来したこともあり、日中の平均気温が-10℃~-5℃という厳しい環境での撮影となりました。

この撮影を経てBrave7の弱点を把握できましたのでレビュー記事にします。

撮影前の準備について

AKASO Brave7には多数のアタッチメントが付属していますが、スタンドや自撮り棒という基台になるものは付属していませんので、事前に準備する必要があります。

スキー中はグローブ等の防寒装備をつけていますので、撮影は自撮り棒スタイルとし、スキーストックのグリップ部分へカメラのアタッチメントを取り付けることにしました。

アタッチメントは悩んだ結果、HSUのアルミカメラブラケットを購入することにしました。

ブラケットの取り付けは、付属の六角レンチで取り付けることが出来ます。スキーのグリップ部はラバー素材ですので、ねじをきっちりと閉めこむことでずれることはありませんでした。

スキーストックにHSUアルミカメラブラケットを取り付けると写真のようなりました。アルミ製で丈夫、かつ、色が選べて高級感もあり、このブラケットはおすすめです。

数度の使用で感じた欠点としては、ねじの先端がグローブやスキーストックのベルトにあたってしまい、道具を擦れて痛めることがわかりました。

現地では袋ナットなどで対策できると思ったのですが、あいにく手持ちが無かったので帰宅後に対策することにしました。

アクションカメラの基本性能は?

スキー場で4日ほど撮影してみましたが、手ブレ補正もばっちり効くし、動画も明るく撮影出来ていましたので、撮影性能としてはお値段以上でした。

電源ON・OFFと録画開始操作

電源ボタン(兼:録画ボタン)はスキーグローブをはめた状態でもなんとか操作できました

押す場所がピンポイントで1秒くらいの長押しをしないといけないので、手の大きな方は少々難しいかもしれません。

電源が触れただけで勝手に入り切りすると録画できないという事象になりますから、これくらいの操作性で良いと思います。

電源ON・OFF、録画開始・終了は、特に支障なく操作することが出来ました。

手振れ補正はすばらしい

Brave7はほぼこの機能一択で決めたのですが、スキー滑走中でも満足のいく動画が撮れました。

以下のサンプル動画は不整地急斜面の一部カットです。思い描いていた自撮り滑走動画が撮影出来て感激です。

GOPROは手ブレ補正をいれてもかなり広角撮影ができるようですが、スキーでの手持ち撮影は撮影条件がかなり厳しいので、動画の質という点では大差ない(=自己満足の世界)かもしれません。

Brave7の手ブレ補正をONにする場合は、被写体から2~3m離れたところから撮影すると一番良い動画になるかもしれませんね。

音声録音はノイズまみれで期待できない

Brave7には本体に音声マイクが内蔵されていますが、AKASOからも「小さなマイクなので集音性能は期待しないで」と注意書きがありました。

実際に滑りながら撮影してみると、バリバリという強い風切り音が入ってしまうので移動しながらの録音は出来ないと思っておいたほうが良いと思います。

Brave7の風切り音軽減機能をONにすると、そこそこ低減効果はありますが、どうしてもバリ音ノイズが入ります。

メーカー側も対策に苦慮しているのでしょうが、筆者の経験上ではコンデンサーマイクを大きなモノにしないと対策が難しいと思います。

Brave7の音声録音は、録音ができるおまけ機能がついていると思ったほうが良いです。

静止画は綺麗に撮れます

静止画は170度を写す魚眼レンズが入っており綺麗な広角撮影ができました

切り替えはタッチパネルか付属リモコンで行う必要があり、手袋をしている状態では切り替えすることが出来ません。

普段はスチルカメラとして使い、必要なときに動画撮影に切り替えるという使い方がベストだと思いました。

使って体感した不満点

使っていくうちにBrave7のイマイチな点を複数見つけましたので列挙しておきます。

これらの問題を考慮して使うと、充実した動画撮影が出来ると思います。

アタッチメントケースに入れた状態でカバーが開かない

製品の個体不良と思うのですが、カメラが付属のアタッチメントケースにきっちりと入ってくれず、ケースに入れた状態でSDカードとUSBポートのカバーが開け閉めできません

バッテリーは付属外枠ケースを外さないと取り外せないので、ケースにはめたままUSB給電や外部マイク接続をするような使い方をしなければ大した問題ではありません。

筆者の場合は、カバーを開けた使い方を想定していませんし、代替できるアクションカメラを所持していないので、この不備は我慢して使うことにしました。

アタッチメントケースの成型時ばらつきから生じる問題だと思うので、メーカーにクレームしても同じ製品が送られてくるだけで、不備は解消されないものと想定します。

気になる方はAKASO製品は購入しないほうが良いと思います。

手振れ補正をオンにすると撮影範囲が狭くなる

手振れ補正なしでは画角が170°までなので結構広いのですが、手振れ補正をONにすると140°くらいまで狭くなります。

○手ブレ補正OFF時

○手ブレ補正ON時

これはyoutubeでも比較レビューされていたので事前に制約は把握していたのですが、いざ動画を比較してしまうとイマイチ感がどうしても出てしまいます。

この点の不満を解消したいならGOPRO一択になると思います。

低温環境では動かない

スキー場での撮影に使ったのですが、悪天候で氷点下だと10分くらいの撮影でバッテリー切れになりました。

休憩所で本体を温めるとバッテリー残量が復活しますので、低温環境におけるバッテリー性能が落ちたことが要因と考えられます。

メーカーHPで使用温度条件を見てみましたが、温度条件はどこにも記載されていません。GOPROは10℃~35℃と記載されていましたので、アクションカメラとしては低温での動作は保証外なのでしょう。

低温対策としては、本体を滑走直前までポケットにいれて体温でバッテリーを温めておき、滑走直前にストックへ取り付けることにしました。

Brave7にはバッテリーが2個付属しているので、休憩所などでバッテリーをいれかえて交互に使うことで、なんとか一日は持たせられるといった感じでした。

それでもこのカメラを購入する前は、非防水のハンディカメラで手袋を外して撮影していましたので、滑りながらラフな環境で撮影できるだけでも嬉しいです。

低温環境で安定して撮影するには、特別に対策されたコンパクトデジカメのほうがまだ分がありそうな感じです。コンデジは少々重いので片手で保持ができず、スキー滑走動画は難しいかもしれません。

付属のリモコンも低温環境では動かない

付属のリモコンが意外に軽快に動作するのでスキーグローブに取り付けて持ち出してみたところ、スキー場ではカメラ本体と接続できませんでした。

リモコンの液晶表示やスイッチ動作はきちんと動いていましたので、温度条件に厳しい通信モジュールが低温で動作していないものと思われます。

ハイシーズンのスキー場では、付属リモコンが使えないとわかりましたので、次の日からは携行しませんでした。

待機中にWiFi待機中画面になる

Brave7を待機画面にしているとBrave7がWiFi接続画面になっていることが数回ありました。

WiFi接続画面は、電源をいれて矢印キーの上を長押しする必要があり、この操作は簡単に出来ませんので低温環境における誤動作と思われます。

機能が損なわれる問題ではありませんが、撮影時にひと手間が発生するので注意が必要でした。

手ブレ設定が勝手OFFになる

Brave7は、各種設定をタッチパネル操作で行う仕様ですが、手振れ補正や音声録音のON・OFFなどがメニュートップにあるため、勝手に設定が変わっていることがありました。

設定変更は「OK キャンセル」というやり方ではなく、ワンアクションで設定変更ができてしまうため不意にタッチパネルに触れてしまうと、変わってしまいます。

設定をロックするような使い方は出来ませんので、画面のアイコンが何の機能を意味しているかをよく把握してから撮影したほうがいいと思います。

不満点も多いが機能面は必要十分

今回はAKASO Brave7をスキー場という温度条件が過酷な環境(たぶん仕様外)で使ってみたところ、そこそこ思い描いていた動画が取れたので個人的には満足できる商品でした。

上述の不満点を解消した細部の作りこみをしっかりしてくれれば、素晴らしい製品にはなるでしょう。

今年のスキー動画はこのAKASO Brave7で撮りまくりたいと思います。