スマホのゲーム画面を録画しようとGoogle Chromecast(クロームキャスト)を買ったのですが、IO-DATAの録画機GV-HDRECに入力すると画面が表示されませんでした。
Playstation3やPlaystation5は、HDCP(著作権保護技術)のON/OFF設定が出来るので、ChromecastもHDCPのON/OFF設定が出来ると思い込んでいましたが、購入後にHDCPは常にONしか出来ない仕様であることがわかりました。
調べてみると、HDCPを解除できるHDMIスプリッターというものが販売されており、新たに機器を購入することでようやく録画ができるようになりました。
IO-DATA GV-HDRECはHDCP非対応機です
筆者は動画製作もしていますので、PCの作業状況の動画記録にはIO-DATA GV-HDRECを使っています。GV-HDRECはHD画質ならば、録画ボタンをおすだけでSDカードに動画を記録してくれるので、とても便利に使えます。
しかしGV-HDRECは汎用録画機という性質上、HDCP(著作権保護技術)には対応しておらず、Playstaionの画面を録画する際は、Playstation側でHDCPを解除して使うよう記載されています。
一方でChromecastは常にHDCPオンで出力されており、本体にはリセットボタンが一個しかないため、どう見てもHDCPを切る機能はなさそうでした。
Chromecastを仕様が記載されているHPでもHDCPについては何も記載されておらず、よく見ると要件にテレビと書いていました。これでは当初のスマホゲーム画面の録画という目的が達成出来ないことになるため、HDCPを解除する方法を調査することにしました。
一部のHDMIスプリッターのみHDCP解除可能
いろいろ調べてみるとHDCPの解除は、HDMIスプリッターという分配器を挿入するだけで解除ができるようです。
解除機能付きのHDMIスプリッターは、KanaaN(カナーン)というブランドが人気のようでしたが、HDCPのバージョン1.4→2.0に上がったころより、「解除できた」「解除出来なかった」とのレビューが交錯しています。販売点の説明表記でも「HDCP解除機能はありますがサポートはしません」との表記も見られたのでKanaaN製の購入には不安が残ります。
HDMIスプリッターはHDMIを分配するだけの機能しかないので、解除機能が使えなかったら一般家庭で活用出来る場所はありませんし、ショップで機能保証がされていないため返品もできません。
悔しいので更に調べると、DAIADという商社が輸入しているHDMIスプリッターがHDCP2.3の解除機能まで保証して販売しているのを発見しました。レビューにおいても解除出来なかったというレビューが皆無でしたし、販売会社も機能保証しているのが決め手になり、DAIADのHDMIスプリッターを購入することにしました。
HDMIスプリッターでHDCPが解除できます
HDMIスプリッターを購入し、Chromecastとの間に挿入すると、見事、GV-HDREC経由で録画できるようになりました。
HDMIスプリッターを通すと、GV-HDRECからTVに出力してもきちんと画面表示してくれますので、きちんとHDCPが解除できました。これでようやくゲームプレイ画面の録画ができるようになりました。
このHDMIスプリッターは、よく見ると前面にSTDとTVという切り替えスイッチがあります。このスイッチの設定によりHDCPに対する動作が変わります。
- STD設定:HDMIスプリッターがHDCP機器として動くようになります。
- TV設定:出力側のHDCP機器情報で、入力側HDMI機器とネゴシエーションします。
このSTD /TV切り替えスイッチは、HDCPネゴシエーションに関する設定ですから、この切り替えスイッチがあればHDCP解除は無難にできるように思います。
つまり、このスイッチ有無により外観からHDCP解除機能があるかの判断ができるということになります。Amazonさんのマーケットプレイスで購入する場合は、このスイッチはどういう機能なのかという質問も出来ますので、買う前の判断材料になると思います。
Chromecastなどのネットでアップデートされるような機器については、HDCPのバージョンがあげられてそのうち映らなくなる可能性もあります。しかし、テレビはHDCP1.4機器もまだまだ現役だと思うので、スイッチをTV設定にすることでも回避は簡単にできそうです。またSTD設定としても現状では特に問題となる事象もなく、この構成で当面は安定して使えると思われます。
著作権には十分注意しましょう
このHDMIスプリッターは、HDCPを強制解除してしまう仕様であるため、HDCP解除をON/OFF機能するスイッチなどはありません。
TV放送などはダビング10という仕組みでダビングの回数を制限してコピーを抑制していますが、このHDMIスプリッターを通してしまうとコピーに制限がかからなくなってしまい、不意に法令に抵触してしまう可能性が発生します。
Chromecast経由でキャストされた動画を記録することが出来るようになってしまうので、映画などを私的鑑賞目的で録画したものが流出することのないように気をつけて使う必要があります。個人で楽しむ分には録画しても問題ないとされていますので、著作権を意識しながら使うのが良いと思います。
HDMIスプリッターで動画製作が効率化
このHDMIスプリッター導入により、GV-HDRECでハイビジョン画質で録画することが出来るようになりましたので、早速ゲーム動画を製作してみました。
ビデオカメラとGV-HDRECの画面を合成したりして、意図したとおりに動画が作れる環境が整いました。スマホ画面の録画を考えておられる方は、本商品はおすすめです。