自動車のデイライトは、2016年の保安基準の改正により「昼間走行灯」としての要件が規定され、日本国内でも適合となりました。
海外ではデイライト点灯が義務化されている国もあったことから、2016年以前の輸入車はデイライトOFFとした設定が行われて販売されているようです。そのため、筆者のAudi TT(2010年式)は、TTSヘッドライト(白色LEDデイライト付きの純正ヘッドライト)換装しただけではデイライトが点灯しません。
今回は、Audi TT(8J) のTTSデイライトをコーディングツールを使って設定する方法を紹介します。
必要ツール
作業にはPCとコーディングツールが必要です。筆者はコーディングツールにRoss Tech社のVCDSを使っています。
- Windows PC (windows10)
- Ross Tech VCDS(自動車に適合するモデルを選択してください)
コーディングツールとは、自動車のCANネットワークを使って、設定値を書き換えるツールです。車種によってインタフェースが異なりますので、購入の際は注意しましょう。2005年以降のモデルでCANインタフェース、それ以前はHEXインタフェースが採用されているようです。
VCDSの購入方法はService Dueの消去方法まとめていますので参考にしてください。
コーディング手順
自動車のOBD-ⅡポートにVCDSとPCを接続し、VCDSの"Cent. Elect."を選択します。
"Cording -07"を選択します。
"Long Coding Helper"を選択します。Long Coding Helperを選択することで、車種別にコーディング値の説明が付加されるため、コーディングミスを防ぐことができます。コーディングの際は必ずLong Coding Helperを使うようにします。
ヘッドライトをLEDタイプに変えた場合は、アドレス"18"でヘッドライト型式の設定変更を行います。
ヘッドライト型式が設定値と違う場合はコンソールにヘッドライト異常の警告表示が出ます。変更する場合は、部品の適合をよく確認してから行うようにします。
アドレス"15"でデイライトの設定をONにします。Bit 3と Bit 6にチェックを入れます。
アドレス"17"は画面の初期値のままにします。
アドレス"24"でデイライトの明るさを設定します。初期値は90になっており、かなり眩しく国内の保安基準に抵触する可能性がありますので50(%)にして設定しています。
設定値の説明にDecimationとあるようにLED点灯を間引きする制御となっています。車幅灯が電球バルブの場合は設定できません。
1項目設定ごとに書き込みする
設定が完了したら1項目毎にDo It!で書き込みして、設定が反映されたことを確認しながら進めます。
コーディングミスがあるとすぐ戻さないと車両がおかしくなる可能性があるため、一つずつ設定反映されたことを確認するのがDIYコーディングの鉄則です。
戻せなくなくなったら、ディーラーで初期値に戻してもらうという方法もあるそうですが、5,000円くらい取られるらしいです。
書き込みしたらライトポジションスイッチがAUTOであることを確認して、目視チェックします。デイライトはとても眩しいので、くれぐれも直視しないでくださいね。
コンソールでデイライトのOn/Offを設定をする方法
アドレス"15"のBit 7を"1"にすることで、コンソールでデイライトのOn/Off設定が出来るようになります。
Bit 7はLong Coding Helperによる変更が出来ませんので、手動で"01001100" を"11001100" に書き換えます。書き換えするとコンソールに"Daytime Lights"の設定が表示されるようになります。
この設定でデイライトが不要なときはVCDSを使わなくてもOffにできます。車検時の光軸検査を通すときはOffにしています。
他車種でも、VCDSのLong Coding Helperの説明を見ながら設定していくことで、間違いなく設定出来ると思います。
以上、Audi TTのデイライト設定方法でした。