DIYでアウディTT(8J)のデュアルクラッチトランスミッションオイル(DCTオイル)交換を計画しています。
アウディTTのDCTトランスミッションは、年式によって湿式と乾式があります。湿式のほうが多量のオイルを使うのですが、オイルが緩衝材となるので壊れにくいという特性があります。
しかし、アウディのDCTトランスミッションは、オイル管理不良によるトラブルが発生するため、メンテナンスインターバル(60,000km)より早めの交換が良いといわれています。
アウディのDCTオイル交換は、VCDSというコーディングツールが必要となりますが、DIYでも出来る作業です。本記事では準備編として、必要工具と交換手順についてまとめました。
DCTオイル交換手順の確認
DCTトランスミッション(Sトロニック)のワークショップマニュアル(workshop manual)で手順を確認したところ、次の要領が記載されていました。以外と工程が多いです。
- 車両をリフトアップする:4柱リフトで水平にする。
- VDCS接続とDCTオイルの温度確認する。
- オイルフィルター口を外し、オイル注入ができることを確認する。
- ドレインプラグとオーバーフローパイプを外してオイルを排出する。
- 排出後、オーバーフローパイプを3Nmで締め、ドレインプラグは仮締めする。
- オイルフィルターを外して新油を注入する。(6 S-torinicの場合はオイルフィルター口から入れることが可能)
- 新油を4.5L程度入れ終わったら、新油に浸した新しいDSCオイルフィルターを取り付ける。
- エンジンを始動し、シフトをP→R→Dに入れてオイルを循環させる。
- エンジンを停止し、VCDSでDCTオイル温度を注視する。温度が35~45℃になったところで、ドレインプラグを抜き、余分なオイルを抜く。
- ドレインプラグのシールを交換し、トルクレンチで本締めする。
この作業の注意書きには次のように書かれています。mustが多いですね。
- Vehicle must be absolutely horizontal (on a four-pillar lifting platform or over an inspection pit).
- The gear oil level varies according to the oil temperature: if the oil temperature is too low, this will result in overfilling; if it is too high this will result in underfilling.
- An incorrect gear oil level will impair the function of the gearbox.
- The oil temperature must not be higher than 45°C at the commencement of the test.
ドレインプラグとオーバーフローパイプの構造は次の図のとおりになっています。
注入排出口と必要工具の確認
先に注入口と排出口を確認します。
注入口はDCTオイルフィルター口を使います(正規はドレインからポンプで注入です)
排出はエンジン横のDCTトランスミッションのドレインボルトです。
必要工具と締結トルクはネット情報だけではなく、メンテナンスマニュアルでも確認します。
六角、ソケットとも標準サイズではないため、専用に購入する必要があります。
オーバーフローパイプは少し奥まった場所にあるため、長め六角レンチが必要です。またこの作業は温度管理が必要であるため、VCDSは必須となります。
- DSGドレインボルト:六角 14mm, 45Nm
- オーバーフローパイプ:六角 8mm(100mm程度の長いもの), 3Nm
- DSGオイルフィルタ: 24mmソケット, 20Nm
- DSG油温:35℃- 45℃(交換温度)
消耗品の確認
DCTオイル、フィルター、シールなどの消耗品は、Motul, Meyle, SWAGなどの互換メーカー品も使用できます。
DCTオイルは1万円超えと高額なので、ネットショップのセール時に購入すると良いでしょう。
- DCTオイルシール:アウディ DCTドレンプラグシール/ワッシャー S-TRONIC用
- DCTオイルフィルター:Meyle 100 136 0003
- 6S-toronicDCTオイル:Motul Muulti DCTF 1Lx5個
VCDSで温度計測を予行演習
DCTオイルの温度監視は、VCDSをつないで事前測定をしておきます。
1.Control Moduleを選択
2.Auto Transを選択
3.Meas Block -08を選択
4.Meas BlockのGroup19にDCTオイル温度が表示
DIYでの作業は夏季と冬季を避けて行う
アウディのDCTオイル交換は、オイルを冷ますという工程がありますので、どうしても時間がかかります。
DIYで行う場合は、季節と気温を考慮して、秋~初冬にかけて実施したほうが良いと思います。
今回は準備編としてここまでの記載です。これから部材を収集し、交換する時期になったら、作業を実施して記事にしたいと思います。