【自作LANケーブル】LINKUP製貫通型RJ45コネクタで失敗激減

Telecommunication

LANケーブルはもっぱら自作する派なのですが、RJ45コネクタの圧着失敗はなかなか減りません。この度、LINKUP製の貫通型RJ45コネクタに変えてみたところ、単線・より線ともに全く失敗しなくなったので紹介します。

購入した商品は、LINKUP製UTPパスルースナッグレスRJ45コネクタ(5色)です。価格は50個入で\3,000程度とリーズナブルです。筆者はカラーコネクタ5色入り(各色10個入)を選択しました。カラーコネクタは少し前までエレコムから販売されていましたが、現在はLINKUPしか作っていないみたいです。

このRJ45コネクタは、LANケーブルをコネクタに貫通させて圧着する新しいタイプです。またコネクタのツメは、スナッグレス形状(逆方向の引っ掛かり防止)になっており、別売りブーツを付けなくてもツメが折れにくい工夫された構造となっています。

(ご連絡)LINKUP UTPパスルースナッグレスRJ45コネクタはよく欠品しています。筆者の購入価格は50個で2,800円でした。定期的に以下リンクで在庫確認が良いと思います。

LINKUP製RJ45コネクタの品質について

商品が到着して内容物を確認してみたところ、圧着ピンの品質がとても良いことに驚きました。写真は上からエレコム製、ノーブランド品(激安品)、LINKUP製です。

エレコム製は、単線仕様専用で設計も古く接触ピンの数が2本となっています。このRJ45コネクタは、ロードバーのない仕様ですが、品質はエレコムだけあって必要十分といったところです。またこのコネクタだけは、カラバリモデルが発売されていたので、6年間ほど使っていました。

ノーブランド品は接触部分に金メッキが入っていません。金メッキはコネクタのコンタクト部分だけのようです。このコネクタはヨリ線対応のロードバー方式なのですが、圧着に失敗する確率が高止まり(歩留まり 30%くらいととても悪い)傾向であるため、結局使うのをやめてしまいました。

今回購入したLINKUP製は、接触ピン数が3本でしっかりコンタクトする形状になっています。金メッキ膜厚は50μmと記載されていますので、品質はよく作り込まれていると思います。

またLINKUPの抜け防止用のツメはきれいなラウンドアーチ状になっています。LANコネクタは、挿抜時にこのツメを周辺のケーブルに引っ掛けて折ってしまうのですが、LINKUP製はコネクタの端までアーチが伸びているので、引っ掛けて折れるようなことはなさそうです。別売りのツメ折れ防止ブーツを買わなくても良いので、コスト的には優れていると思います。

パススルー方式LANコネクタの圧着方法

以前のRJ45コネクタ圧着は、電線長を14mmに切りそろえてコネクタに挿入する必要がありましたが、パススルー方式はRJ45コネクタに電線を通して、圧着してから余長を切断するという方式に変わります。

貫通式コネクタの圧着には、圧着と同時に余長ケーブルを切断する機能が追加された専用かしめ工具がいると思われがちですが、圧着後に余った電線を切断する作業を追加するだけで、従来方式のRJ45カシメ工具でも問題なく工作できます。ただし、製作方法は少しコツがいるため、以下に解説しておきます。

最初にLANケーブルの被覆をむきます。被覆を剥がす量をケチって短くしすぎると、ケーブルのより戻しが困難になるため、7cmくらいがベストだと思います。

次にケーブルのヨリを戻し、配線を568Bに合わせます。ここでヨリを戻すときはケーブルに被覆を剥くときのカッター傷が入っていないことはよく確かめてください自作LANケーブルの品質を上げるには、このヨリ戻しをしっかり行うのがポイントです。

ヨリを戻したケーブルは、RJ45コネクタのツメがない方を上にして挿入します。RJ45コネクタの小さな穴に線をいれないといけないため、挿入方法は単線とより線で作業方法が若干違います

  • 単線の場合:先端を切りそろえて8本が容易に入ります。斜めに揃えてカットする方法もありますが、長さを揃えて水平にカットしても挿入のしやすさには大差ありません

  • より線の場合:より線はケーブルのコシがないため、単線仕様のように8本揃えて同時に入れることができませんより線は線が柔らかい特徴を生かして、最初に4本をいれてから、隣接するケーブルを1本ずつ通していくと難なく挿入できます。

すべての電線が通せたら、電線をしっかりと引っ張ってからカシメ工具で圧着します。ケーブル外皮とコンタクトの距離はできるだけ短くします。この距離が短いほどノイズの影響を受けにくく、伝送品質が向上することになります。(LINKUPのRJ45コネクタはCat6対応です)

圧着後ではみ出た余長線は、精密作業用ニッパーでカットします。貫通式対応のかしめ工具を持っている場合は、このカット工程が不要になります。仕上がりは貫通式対応の工具が良くはなりますが、DIY用途で数本製作するレベルであれば、従来型のかしめ工具の買い直ししなくても仕上がり品質は大差ないと思います。

RJ45コネクタをケーブル両端に圧着し、LANケーブルが完成したら、ケーブルテスタで導通テストをして完成です。

LANケーブルの自作を初めて以来、失敗しないLANコネクタを探し求めていましたが、このLINKUP製は、失敗しない、単線・より線の両対応、ツメ折れ防止構造と、これまでの不満が解消される仕様でとても気に入りました。しばらくこのコネクタに落ち着きそうです。

以上LINKUPのLANコネクタの紹介でした。