概要
主にリモートワークで使用しているパナソニックネットワークカメラの予備品をヤフオクで購入したのですが、故障品を引いてしまったのでDIYで修理しました。
このカメラは、ガラスレンズを使った光学の高倍率機ということもあり、かなりの数が現役で動いている模様で、ネットをググってみると、故障して修理できず苦戦している方もおられます。
このカメラはネットオークションで安く手に入るのですが、LED赤かオレンジ色点滅の不動品が安く出品されていることがあります。不動品であっても、LEDオレンジ点滅はファームウェアを再書き込みすれば分解修理する必要がなく、即買いなのですが、LED赤点滅でハード故障が出ている個体は、論理的手段では復旧しません。
この時期のパナ製品は、Pbフリーハンダが使われだした時であるため、ハンダ割れが良く発生しているような気がしたので、再ハンダしたら修復できます。
ただし、このBB-HCMシリーズは、分解と組み立て作業が難しいので、必要道具をそろえて、動画で予習していただいたたほうが良いと思います。
故障状況
故障の状態は、Web接続して、自己診断→ハードウェア(メイン)で確認できます。
すべて0で正常であるところ、ffが表示されています。エラーコード詳細は開示されていませんのでわかりませんが、どうやらモジュール間の通信不良と思われます。
分解作業
プラスチックカバー類を取り外します。プラスチックは薄いので割らないように注意します。
側面の基板とモータを外します。
FPCケーブルで接続されているので、コネクタの抜け止めを上げて、丁寧に取り外します。
ここが良く汚れている場合は、環境の悪い場所で動いていた個体と思われるので、エレクトロニッククリーナー等で徹底的に清掃しておきましょう。
カメラモジュールを取り外します。小さなEリングで止まっているので、先の固いピンセット2本で外します。分解作業で一番の難関です。径が適合するEリングプライヤーを持っている方は使った方がいいでしょう。
カメラユニットの内部を開けると、カメラモジュールが出てきます。
このハードウェアの修理では、ここまでの分解で大丈夫です。
内部レンズの曇りが出ている場合は、さらに分解してレンズの内側を清掃してください。
ちなみにレンズの分解は、工数が多く、なかなか難しいので、部品を壊したり無くしたりしないよう、注意して実施してください。
ハンダ割れの修理
カメラ、ズーム、ピントのアクチュエータがFPCではんだ付けされている部分があります。
見ただけではわかりませんが、ここのハンダが割れて接触不良になっているので、はんだごてを当てて再加熱すると修復できることがほとんどです。
FPC基板は、振動でハンダが割れることがあるので、追加ハンダしておくとなお良いと思います。
組み立て、動作検証
組み立ては取り外しの逆で良いのですが、工程が多いので部品の付け忘れに特に注意します。
ピンク色のCリングスペーサーは、モータ側の軸にいれるものなので忘れずに挿入します。
カメラ動作に支障のないところまで組み上げたら、動作テストをします。インジケータのLEDが緑色になって、設定画面のハードウェアエラーが消えたら作業終了です。
必要工具
- はんだこて goot PX-201
- ピンセット ホーザン P-882, P-888
- ハンダ(鉛入り) goot SD-63
- 精密ドライバー vessel +00番