デスクトップPCを更新に伴って、WQHD(2K)モニターに買い替えをすることになり、DELLのS2722DCを購入しました。初のUSB-C付きモニターです。
普段使いにはWQHD(2560×1440)が最適
筆者の自宅には、4Kモニター2枚、2Kモニター1枚、HDモニター1枚があります。
HDモニターは表示情報量が不足気味ですし、4Kモニターは文字小さすぎてスケーリング(拡大)を125%にする必要があります。
また4Kモニターは、2Kモニターより1万円くらい高いので、解像度が高い分は無駄コストになります。
- HDモニター:1.5~2万円
- WQHD(2K)モニター:2.5万円~4万円
- 4Kモニター:3.5万円~4.5万円
やはり、普段使いのPC用としては、WQHDパネルが最も使いやすいと思います。
PC用モニターの選定ポイント
LCDモニターは、たくさんのメーカから出ており、どれを購入するか迷います。
量販店の店頭展示品で画質を比較したとしても、大型のLCDパネルを製造できるメーカーは限られているため、見栄えについては大差なく、結局一番安いメーカー品にしてしまいがちです。
ところが、安い製品は使い勝手や耐久性のことまで十分考慮されているとは思えず、買ってから後悔することも多々ありましたので、以下のように設計や品質に必要十分なコストがかけられているかの観点で絞り込むようにしています。
- 価格:3.5万円以内
- VESAマウント:あり(100mm✕100mm)
- 給電タイプ:ACコード直結
- 映像インタフェース:HDMI✕2, Displayport or USB-C✕1
- コネクタ接続方向:鉛直下方向
- 口コミ:数ヶ月で壊れたレビューがないもの
この選び方をして「買って後悔」はなかったので、選定時の参考にしてください。
ACアダプタのモニターは避けたほうが無難
筆者が最重要視する仕様はACコード直結(AC電源内蔵)タイプであるものです。
ACアダプタータイプのLCDは、配線が煩雑になるだけでなく、設計品質も低い可能性があるので、基本的に選ばないほうが無難です。
メーカーがACアダプターを採用する理由としては、ACアダプターの完成品を購入することで開発費が削減できるメリットがあります。
一般的にAC電源を内蔵する製品設計を行うと、メーカーとしてACラインノイズ対策等の設計や品質保証が必要になるため、安価な製品はACアダプター給電になっているというメーカー都合の内情があります。
あくまで筆者の想定ですが、設計に手間をかけられていない=設計品質が低いという可能性もありますので、避けておいた方が無難と思います。(筆者の前職は電気製品の開発エンジニアでしたので、概ねあっていると思います...)
VESAマウントは必要
27インチのモニターを設置すると、机のかなりの置き場所を占有します。
机上スペースを確保するには、以下のモニターアーム導入が効果的ですのでVESAマウントは必須だと思います。
また付属スタンドに高さ調整がない場合、サンコーの後付モニタースタンドを導入することで、机上スペースがかなり広くしている場合もあります。
筆者はIO-DATAを3枚持っていますが、いずれも高さ調整ができないため、付属スタンドは最初から使わず、サンコー製のモニターアームか後付スタンドを使用しています。
モニターを買うときは、付属スタンド機能をしっかりと確認しておきましょう。
コネクタ差し込みは鉛直下方向
コネクタ差し込み方向の確認も重要です。LGやPhilipsの廉価モデルはコネクタ差し込み方向がパネルに対して垂直になっています。
差し込み方向が垂直なっていると、奥行方向にスペースが必要となり、壁に密着できません。また、太いHDMIケーブルやDisplayportケーブルを差し込む場合、ケーブルやコネクタに常時重力の負荷がかかり、経年すると断線する可能性もあります。
メーカーHPの仕様ページでは、背面の占有スペースはしっかり書かれていませんので、こういうLCDモニターを買ってしまうとかなり後悔すると思います。
LCDのコネクタの差し込み方向は取扱説明書などでしっかりと確認してから買うようにしましょう。
おすすめのWQHDモニター仕様比較
前述の基準でモニターを選ぶと、PHILIPS, DELL, IO-DATAが候補に残ります。
さらに購入価格を4万円以内とすると、以下3製品に絞ることができます。
ここで仕様比較をしてみます。表中の赤字は優れている点、青字は劣っている点です。
型式 | PHILIPS | DELL | IO-DATA |
価格帯(最安値) | 2.3万円 | 3.4万円 | 2.9万円 |
発売 | 2022年4月 | 2021年10月 | 2021年7月 |
画面サイズ | 27型(インチ) | 27型(インチ) | 27型(インチ) |
液晶種類 | IPSパネル | IPSパネル | IPSパネル |
解像度 | 2K(2560 x 1440) | 2K(2560 x 1440) | 2K(2560 x 1440) |
コントラスト比 | 1200:1 | 1000:1 | 1000:1 |
最大輝度 | 350 cd | 350 cd | 350cd |
描画応答速度 | 75Hz 4ms | 75Hz 4ms | 60Hz 5ms |
入力端子 | HDMI1.4 x2
Display Port1.2 x 1 |
HDMI 2.0 x2
USB-Cアップストリーム/DisplayPort + 電源供給 USB 3.2 第1世代 ダウンストリーム USB 3.2 第1世代 ダウンストリーム、バッテリー充電1.2 |
HDMI×3
DisplayPort×1 |
スタンド機能 | ◯:高さ調整
◯:上下振り調整 ◯:左右首振り ✕:画面回転 |
◯:高さ調整
◯:上下振り調整 ◯:左右首振り ◯:画面回転 |
✕:高さ調整
◯:上下振り調整 ✕:左右首振り ✕:画面回転 |
VESA対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
スピーカー | 無し | 3W×2 | 2W×2 |
27インチWQHDモニターはDELL S2722DCがベストバイ
比較表で検討した結果、筆者のおすすめは以下のようになります。
- 机上に1台で運用する場合:Dell S2722DC
- デスクトップPCでマルチモニタにする場合:27E1N5500E/11
- 安さを追求する場合:27E1N5500E/11
DELLは価格こそ一番高額ですが、以下の外観や機能性は価格以上の価値があると感じ、今回はDELLを選定することにしました。
- 外観がきれい:背面が白でスタイリッシュ、インテリアに調和するので家族から文句が一番出にくい
- USB-C thunderboltあり: USB-PD(Power Delivery)対応でノートPCの充電もできる
- スタンド:組立簡単、配線ホールあり、調整機構がフル装備
- スピーカー:3Wx2で一番大きい
動画編集などを行う場合は、以下の4Kモデルもおすすめです。
モニター外観
コネクタ面
左から、AC電源、(少し離れて)、HDMI x2、USB-PD、オーディオピンジャック、USB-A、(少し離れて)、USB-A(高速充電)
高さ調整
(注意点)DELL S2722DCのUSB-CはDisplayportと兼用
DELL S2722DCは、単体で動作させるにはほぼ満点なのですが、DisplayportがUSB-Cインタフェースに包含されている点は要注意です。
デスクトップPCにグラボを積みマルチディスプレイ化する場合、基本的にDisplayportでの接続となるため、貴重なUSB-Cポートを専有してしまいUSB-PDの機能が無駄になってしまいます。
マルチディスプレイで使う場合は、「スピーカーなし」でもそれほど不便ではないため、Philipsの27E1N5500E/11を買うほうが満足感を得られると思います。
以上、falcon流の27インチ2Kモニターの選び方でした。