アウディTT(8J)のエンジンオイル交換を下抜きで行いました。今回はオイル銘柄をタクミオイルに変更しようと思い、春の到来を待って交換を行いました。
春の到来を待った理由は、自宅での下抜き交換は作業姿勢が辛くて大変な作業だからです。夏季や冬季といった体力面に影響をあたえる季節は、下抜きを避けるようにして、吸引式オイルチェンジャーを使って失敗リスクを低減させています。
またアウディTTのエンジン2.0TFSIはオイルパン内にストレーナが入っており、上抜きでは吸引ホースが底面に到達できず、全量抜き切ることが出来ません。そのためオイル交換3回につき1回のペースで下抜き作業&オイルフィルター交換とするサイクルにしています。
認証オイル以外を選んだ経緯
これまでエンジンオイルは、VW認証品(Mobil1 5W-40、または、Castrol 5W-40)を使っていましたが、値上がりが激しいことからオイル銘柄を変更することにしました。執筆時点でVW認証オイルの価格以下の状況でした。
- VW504: Mobil1 ESP 5W-30 約\8,000/4L
- VW502: Mobil1 5W-40 約\4,000/4L
- VW502: Mobil1 0W-40 約\5,000/4L
- VW502: Castrol Edge 約5W-40 \3,500/4L
このアウディTTは街乗りでしか使いませんので、Mobil1 5W-40, 0W-40, Castrol 5W-40のどれをいれても体感できるくらいの差は感じとれません。エンジンオイルはそこそこのグレード品を頻繁に交換するのが良いとは思います。
今回は維持費用を節約しようと思い、タクミオイルのHigh Qualityシリーズを選びました。タクミオイルの品質は認証オイルと同等以上ですが、認証費用がかかっていないのでその分安く買うことができます。
タクミオイルのメーカーでは、輸入車にも使えますと回答されていますので品質は問題ないはずです。ただしタクミオイルの4L缶は、Mobil1 0W-40よりも高いので、20Lペール缶がお勧め品となります。
2022.7追記)タクミオイルを入れてから3千キロ程度走行していますが、エンジンがスムースに回り、加速感もアップしました。サーキット走行すらしたことがない素人ドライバー感覚ですが、Mobil1やCastrolの差ははっきりと感じ取れます。宣伝どおり認証という無駄コストがかかっておらず、原材料にコストがかけられていることが体感できましたので、これからはタクミオイルにする予定です。
エンジンオイル交換の準備
エンジンオイル交換は、準備不足等の要因でオイルを充填できない状態に陥ると車が動かせなくなってしまいます。オイル関連のDIY交換作業は、工具・消耗品・手順の確認が特に重要です。
工具類の準備
アウディTTの下抜きエンジンオイル交換はアンダーパネルを外す必要があり、トルクスドライバーや36mmソケットなど、ホームセンターで売ってない工具が必要となりますので、以下リストを基にネットショップで準備するようにします。
- アンダーパネル用:トルクスビット T25、T30、T45
- オイルフィルターハウジング用:36mmソケットレンチ
- オイルドレンボルト用:M19ソケット
- トルクレンチ:20N~50Nクラス
- オイル受け(6L程度)、オイルジョッキ
締め付けトルク確認
アウディTTにはアルミ材質が70%程度使われています。アルミは鉄に比べて強度が低いため、ネジ締めにおけるオーバートルク(いわゆる感覚による手締め)は厳禁です。
アルミはさびにくいので、製造から12年経過していても下回りはかなりきれいです。2010年代のアウディのウィークポイントはDCTミッション故障なのですが、このTTは湿式なのでオイル管理次第で長持ちさせることができるようです。
締め付けトルクは、Maintenance Procedures(メンテナンス手順書)をみて、締付けトルク指定を再確認しておきます。
- フィルターハウジング 25.5Nm(ハウジングにも表記あり)
- ドレンボルト M14×1.5 30Nm
消耗品の準備
消耗品は主にMeyle製を使っています。Meyleは欧州でメジャーなアフターマーケットメーカーであり、品質・部品精度ともに純正レベルと思って問題ありません。
ドレンボルトは、毎回使い捨てを使っていますが、パッキン交換タイプでも問題ないと思います。
トルクレンチは4,000円くらいで購入できるので、必ず購入しておきましょう。最近はデジタル式のトルクレンチも安く手にはいりますが、オイル交換作業に使うとオイルまみれになるリスクがあるので機械式がいいと思います。
- ドレンボルト(いろいろ種類あります)
- オイルフィルター
- 廃オイル処理箱
- オイルフラッシング剤(任意)
- パーツクリーナー(これは近隣のホームセンターで買います)
下抜きのエンジンオイル交換作業
アウディTT(8JBWA)の下抜きオイル交換はアンダーカバーを外す必要があり、最初の難関はジャッキアップとアンダーカバー外しです。
筆者は自動車用のジャッキではなく、カースロープで下部に作業ができるスペースを作り、アンダーカバーを外しています。タイヤに関する作業は、工具等にイニシャルコストがかかりますし、頻度も低いため、もっぱら外注しています。
TTのアンダーカバーは、T25、T30、T45のネジで止められていますので、ネジ受けなどを用意してなくさないようにします。
アンダーカバーを外したら、オイル注入口が外れることを確認してから、19mmのドレンボルトを外してオイルを抜きます。
オイルを抜いてから外れないと自動車が不動になりますから、先にオイル注入口が外れることを確認する習慣をつけるようにしています。
オイルが抜けきったら、先に新しいドレンボルトを使って30Nmで締めます。
次は34mmのソケットレンチでオイルフィルターを外します。オイルフィルター内のオイルを抜く工具がないと、写真のような大変な状態になります。
ハウジング内のオイルを抜くためだけの工具を買うつもりはないので、オイル受けの位置や床の養生を念入りに確認しておくようにしています。
アウディのオイルフィルターは中身だけ交換するタイプです。古いフィルターを外して新しいものに交換します。パッキンゴムはオイルフィルターに付属しているので、オイルを塗ってから交換しておきます。
ドレンボルトとオイルフィルターを閉じたら、新しいエンジンオイルを注入します。
オイルレベルゲージの半分くらいまで注入し、エンジンを始動すると数分でオイルフィルターにオイルが回り、オイル量が少し減ります。エンジン停止後、レベルゲージを見ながら4-500ml程度継ぎ足しすれば、オイル交換は完了です。
作業としては特に難しいことは無いのですが、下抜きのオイル交換時間は、概ね1.5時間くらいかかりました。作業用マット、カースロープ、工具が必要で作業姿勢も厳しいので、DIY交換は春季か秋季にしか出来ない作業だと思います。
オイル交換後の状態ですが、「前より燃費が良くなったかな?」程度でオイル品質差は特にありませんでした。
エンジンオイルが終わったので近いうちにDCTトランスミッションオイル(いわゆるATF)の交換をしてみたいと思います。ショップ工賃は3万円もしますので、やりがいがありそうです。
以上、アウディのエンジンオイル交換でした。