パナソニックのドラム型全自動洗濯機NA-VX9500Lが、給水部付近から水漏れしていたのでDIY修理しました。
パナソニックのドラム型洗濯乾燥機は、大型家電のため修理が難しいように思われますが、部品同士のクリアランスも広く、たいていの修理は前面からアクセスで済むため、難易度は自動車ほどは高く無いと思います。
水漏れ箇所の特定
最初にサービスチェックモードを使って不具合箇所を特定します。
NA-VX9500は、以下の通り給水路が3つあります。
- 洗い用の洗剤投入路
- 風呂水ポンプ路(不足分は水道水から補水する)
- ヒートポンプ冷却用給水路
筆者のNA-VX9500Lは、給水バルブが動く時に水漏れしていたので、サービスチェックモードBで確認してみると、洗剤投入路と風呂水ポンプ路では水漏れはしませんが、ヒートポンプ冷却水路が開くときに激しく水漏れしていました。
水漏れ具合を見るために、前面の下部カバーを外して、内部を撮影してみたところ、まるで雨が降っているようになっており、水がかかったところがサビています...。
電気部品に水がかからないように設計されているのには関心しましたが、想定以上に大変な水漏れ状況でした。
1世代前の製品はヒートポンプが筐体下面にあり、よく故障していましたからね、不具合の積み上げで改良されているのだと思います。
水漏れは、以下の給水部のつなぎ目で発生していることは確認できましたが、前面からでは水漏れ部分が特定できないため、洗濯機を前に移動して背面からも確認しました。
背面の板を外して確認すると、ヒートポンプ行きのバルブが激しくサビており、水漏れはヒートポンプ冷却用の給水路で水漏れしていると断定出来ました。
部品構成見る限り、漏水を起こしているパーツは、電磁バルブ、給水ケースのつなぎ目のパッキン、給水ケース本体のどれかだということになりましたので、部品を買い揃えて修理に挑むことにしました。
交換部品の購入
不具合箇所が絞り込めましたので、次は補修部品の手配です。
家電製品の補修部品を販売しているネットショップで部品を検索すると、給水バルブとパッキンはすぐに部品が見つかり、給水バルブの価格は約3,000円、パッキンは1コあたり約400円でした。
参考:パッキンは日本市場専用製品であるため、Amazonで出品している業者はいませんでした。
次に給水ケースを探しますが、あいにくネットショップでは売られていません。
一般では手配できないか?と思いましたが、楽天に出店されているユースフルカンパニーさんに問い合わせてみると、以下のような部分分解図を送付してもらえて、必要なパーツ番号で手配できるとのことで、素晴らしいご対応をいただけました。
送られてきた分解図からA07, A08, A19, A20の4パーツを注文し、無事に給水ケースとホースを手配することが出来ました。
実際に到着した部品は以下写真のとおりです。代理店契約がなくとも、ネットで正規部品が注文できるようになり、DIYerとしては嬉しい限りです。
修理手順
NA-VXシリーズは、ほとんど前面アクセスで作業できるように作られているので、保守性は極めて良好です。
背面アクセスとなるメジャートラブルは、ヒートポンプの排水詰まりと、モーター駆動ベルト交換くらいみたいです。
本体カバーを外す
ACコンセントとホコリネットを取り外し、給水の蛇口をきっちり締めて、雑巾で水を受けながら給水口を外します
天板を外します。天板のビスは合計9本です。ネジは場所により長さが違うので、あとで戻せるように段ボールに簡単な実体図を書いて、はめ込み保管するのがおすすめです。
操作パネルを外します。ネジ1本です。
前面のドアカバー(ネジ:2本)とドアを外します(ネジ:2本)ドアは引っかかっているのでネジを外しても落ちないようになっています。
ドアパネル(ネジ:3本)、アンダーカバー(ネジ:糸くずキャッチ内に1本、底辺2本)を外し、フロントカバー(ネジ:天面4本、洗剤入れ1本、底辺部2本)を外します。
フロントカバーが外れると、給水ケースにアクセス出来るようになります。
制御基板を外す
給水バルブと繋がっている給水ケースは、制御基板の下に配置しています。
制御基板と給水ケースはネジで締結されていますので、制御基板を先に外す必要があります。
制御基板のフタのねじを外し、フタをスライドさせて外します。
基板にはコネクタが多数接続されているので、コネクタのラッチを押しながら丁寧に外します。
決して無理に引っ張らないようにします。また、AC100Vラインは誤挿入防止がなされてないため、マーキングしてから外すようにします。
給水ケースを外す
制御基板のユニットを取り外すと給水ケースが露出します。
給水ケースは上面の2本のネジでポンプ部品と接続されているだけですので、ネジを外してプラスチックのラッチを外せば分離出来ます。
(1)洗剤投入路、(2)ヒートポンプ給水路の配管のバンドを緩めて配管を外せば、前面に抜き取ることができます。
今回は、よく給水バルブとパッキンも購入していたので同時交換することにしました。給水バルブは経年でよく故障するみたいなので、同時交換がおすすめです。
パッキンのはめ込みはかなりきついので、シリコングリスを塗布して、潤滑性を上げると良いです。同時に防水性もアップします。
バルブ交換が出来たら、逆の順でコントロールパネルまで組み立て直します。
試運転
サービスチェックモードBに入り、洗濯と給水動作のテストモードに入ります。
給水の切り替え動作は、(1)洗剤ケース→(2)風呂水ポンプ→(3)ドラム直入→(4)ヒートポンプとなっているので、(1)(3)(4)で水漏れが無いことを確認します。
無事に水漏れが解消していること確認できれば、カバー類を戻します。
漏水箇所のアフター調査
部品交換で水漏れは治りましたので、アフターフォローとして漏水部分の調査を行いました。
水圧をかけないと水漏れしないため、現象の再現に苦労しましたが、ヒーターの給水路に水を貯めておいていると、水が徐々にしたたってくるため、給水ケースの継ぎ目からの水漏れが原因と思われます。
給水ケースが長い部品のため、経年で接着剤が劣化しているのだと思われます。
次回、同じような壊れ方をする場合は、ここにシリコンコーキングを塗布して、復旧しようと思います。
今後の予定
筆者の場合、水漏れに気づかない時間が長かったため、内部の板金が酷くサビていました。
サビている板金部品ですが、ショップで個別で買えるとのことですので、また別の部分が故障したら同時交換する予定です。(部品製造打ち切りで手に入らない場合は買い替え)
パナソニックのドラム式洗濯乾燥機はメンテナンス性が良いのでおすすめです。
部品の取り付け・取り外しは動画も参照してください。