PCケース CoolerMaster Qube 500 FlatPackがようやく日本発売となりましたので早速購入しました。
海外では2023年9月頃に発売されたモデルですが、日本では電気用品安全法に規定されるPSEマーク取得のために発売が遅れたようです。
※電気用品安全法:日本独自の基準で電気用品の安全確保について定めた法令
Qube 500 Flatpackを選んだ理由
筆者がQube 500 Flatpackを選んだ理由は以下の通りです。
- Mini-ITXケースNR200が素晴らしかった:これまではNR200を使っていました。NR200はMini-ITX対応ですが、AsusTekやAsrockのローエンドMicroATXマザボも収容できるため、PCのトータルコストを押さえることができます。(NR200は気にいってしまいWhite, Sakura Edition, Cyanの3台も持っています)
- 奥行きが400mm以内:PCを奥行き400mmのラックに置いているため、奥行きは400mm以内を条件にしています。このサイズでATXマザボが入るケースは数が少ないため、あまり選べません。
- USB 3.2 Gen2x2 Type-C対応:ノートPCのI/OがUSB-Cにシフトしまくっているので、デスクトップもUSB-C対応に変えていく予定。
- ATXマザボ対応:最近のMini-ITXマザボの価格は18,000円からと高騰しているため、MicroATX, ATXマザボ(10,000円~)を使うほうがかなり安く済みます。
- カラバリに白がある:部屋の壁が白なので白を好んで買ってます。
- 横置き対応:PC収納場所がウッドラックのため横置きのほうが収まりがいいです。そのうちLinuxサーバーもこのケースに更新し、横置きで2段積みにする予定です。
Qube500はNR200のサイズ感の違いは以下写真の通り。
奥行きはNR200と大差なく、高さと幅が大きくなっています。
写真でみると圧迫感は増えますが、ラック上の占有スペースはNR200とほぼ同等です。
NR200の制約をなくした望み通りの製品です。素晴らしい。
組み立て手順
組み立てに必要工具は、No.2の+ドライバー1本のみです。
基本的な構成での組み立てであれば、使うネジもインチネジ1種類だけです。
組み立てでミリネジの混在がありませんので、ミリネジにインチネジを入れてネジ穴を潰すこともありません。
ただし、ネジを斜めに入れてしまわないように注意は必要です。
梱包
ATXケースとしては梱包サイズが画期的に小さいです。
梱包サイズが小さくなると輸送コストも抑えられることになりますので、他のメーカーも追従して真似してくると思います。(すでにLian-Liは同類の製品発表あり)
ベースボードにマザボを取り付け
右側面にあたるベースボードにマザボを取り付けます。
出荷時はATXマザボの位置にスタッドが打たれてますので、MicroATXの場合は追加でスタッドを立てるようにします。
電源を取り付け
電源に金具をつけて、ベースボードに取り付けます。
狭小ケースのためプラグイン電源の場合は、この時点でケーブルを取り付けておきます。
リアパネル取り付け
リアパネルとフロントパネルの取り付けはネジ4本です。
グラボの設置はこのタイミングで行います。
フロントパネル取り付け
フロントパネルの取り付けは、筐体を立てて行うと組み立てしやすかったです。
配線作業
リアとフロントパネルが取り付け後、すべての配線を電源とストレージ配線を全部行います。
SFX電源の場合は、ケーブルの長さが足らない部分がありますし、L字になっている中継コネクタ部分は筐体と干渉して筐体内に収まりません。
対策としてはAINEXの延長・分岐ケーブル類の購入をおすすめします。
筐体との干渉を回避する目的ですので、一番短い12cm~15cmを選ぶのがコツです。
- SATA電源延長ケーブル:
- ペリフェラル→SATA電源:
アンダーパネル、トップパネル取り付け
配線ができたらアンダーパネル→トップパネルの順に取り付けます。
凸部と凹部が合うようにして、ネジ止めするのがコツです。
3.5inch HDDは、天板の下に取り付けることにしました。
HDDはアンダーパネル側にも取り付けできますが、ATXマザボの場合はフロントパネルコネクタが干渉するため、取り付けできませんでした。
エクステンションケージにも取り付けはできますが、ガラスパネルでHDDの基板が丸見えになり、見栄えが悪いので、今回は見送りしました。
ここまでできたら、一度PCに通電し、動作に問題ないか確認します。
筆者は過去に以下のような問題が発生しバラすことがありました。
- CPU補助電源コネクタの誤挿入:電源は入るような音はするものの、安全回路が機能してすぐ切れます。ATX電源は、電源投入の条件が厳しいので、単純な挿入間違い程度では壊れません。ただし、CPU補助とPCI-E補助コネクタを間違った場合は、ショート故障で壊れる場合があるみたいです。
- メモリ挿入不良:UEFI(BIOS)画面が出ません、マザボ側のコネクタをエアーダスターで吹くと解消します。
- グラボ挿入不良:UEFI(BIOS)画面が出ません、マザボ側のコネクタをエアーダスターで吹くと解消します。
- マザーボードの初期不良:中古マザボを買ったときに一部SATAコネクタが認識されませんでした。購入したショップに連絡すると、チェックを見逃しされていたことが認められ、即返品扱いとなりました。
動作しているマザボは、カードエッジ型のコネクタにホコリが溜まっている事が多く、DDRコネクタやPCI-Eのコネクタ接触不良は、結構な頻度で発生しますので注意が必要です。
化粧パネル、サイドパネルのはめ込み
エクステンションケージを取り付けし、トップとフロントの化粧パネルとサイドパネルをはめ込めば完成です。
エクステンションケージは、脱落しにくい兆番仕様に改良されており、とても組みやすかったです。
完成して棚に収納に設置してみたところ、フロントI/Oパネルが斜めになっているので、使い勝手も向上しました。これで動画編集の作業のテンションも上がります。
要改善点
CoolerMasterの製品は、どの製品も設計品質が良いのでほとんど不満になったことはないのですが、組み立て中に気になった点を列挙します。
プラ部品の強度がいまいち
NR200も同じなのですがプラ部品の強度が弱いです。
側面パネルを止めるボールキャッチと筐体の足は、取り付けや取り外しをすると、すぐ欠けてしまいます。
力をいれて外さないとはずれない部分なので高確率で破損します。
ここは改善してほしいです。
HDDランプがほしい
フロントパネルの信号がPowerSWとPowerLEDのみであり、HDDアクセスランプの配線がありません。
NR200は市販のHDDランプが追加できる仕様だったのですが、Qube500ではコネクタが一体型になっており、簡単にHDDランプが追加できません。
HDDはまだ現役で積んでいるのでアクセスランプは欲しいところです。
グラボの穴が最初から開いている
サーバー用途などでグラボを積まない場合は、別途で拡張スロットの塞ぎ板が必要です。
開けっ放しでも問題ないとは思うのですが、これまで開けっ放しのケースは見たことがないので、思い切った割り切りだと思います。
筆者はNR200で発生した板で塞ぐことができますので、問題にはなりませんけどね。
フレーム構造のためガタツキが出る
Qube500に足をつけて机の上においたとき、ガタつきが出る場合があります。この問題は従来のNR200も同様です。
パネル同士をつなげて強度を上げるモノコック構造に生じる問題なのですが、サイドパネルを取り付けると歪みが補正されてガタつきが減ります。
それでもガタつきが出る場合は、パネル同士のネジを再締結しながら補正していく必要がありますが、それほど大きい歪みでなければそのまま使ってもいいかもしれません。
Qube 500 Flatpackは素晴らしいケース
組立方式ということで躊躇される方もおられると思いますが、簡単に組めると思うので初心者でもお薦めできます。
小型ケースとしては珍しい裏配線にも対応しています。
裏配線はケース組立途中で配線をする方式をとっており、狭いところを通す必要が全く無く、難なく組めてしまったので秀逸な設計だと思います。
難点としては価格になります。PSE対応の日本専用モデルになったことで、海外では99ドルで売られているものが日本円で17,000円です。
安全のためとは言えども、日本の法令のためだけに発売が遅れて、値段も上がっているのは少し残念です。
今後、カラバリモデルとして3色のパネルがついているマカロンが発売されると思います。
発売されたらゲットして、セカンドマシンのケースも一新する予定です。