ユーザー車検に向けてAudi TTのOBD検査を実施する(VCDS利用)

Automobile

所有するAudi TT(8J)の車検の時期が近づき、陸運局持ち込みのユーザー車検で行う予定としましたので、VCDSでSRIリセットとAuto Scanを実施することにしました。

アウディやフォルクスワーゲン車は、サービスリマインダーという仕組みが入っており、1~2年毎に「Service Due!」という表示が出ます。

「Service Due!」が表示されたままでは、定期点検未完了で不適合と認識され、車検に通過できなくなる可能性がありますから、確実に消去が必要です。

今回は、車検前のAudi TT(8J)の24ヶ月点検をおこなうという目的で、専用のコーディングツール(VCDS)を使い、サービスリマインダーリセット(SRI Reset)と自己診断(Auto Scan)を行いましたので、その要領について記事にします。

VCDSでサービスリマインダー(SRI)を消去する

自動車のOBD2コネクタにRoss-Tech社製のVCDSを接続します。

PCは小型ノートパソコン(Panasonic Let's note CF-RZ4)にVCDSソフトウェアをいれたものを使いました。

PCの右横にある機材はI/Oデータの録画装置です。DIYでの記録はスクリーンショットを取るより、録画して切り出したほうが記録作業を効率化できるので良く使っています。

またAC電源駆動であると別途インバータが必要になるため、USBケーブルを追加購入して、自動車のUSB電源で駆動しています。

サービスリマインダー(Service Due!)消去の作業自体は過去記事どおりに難なく完了できました。

VCDSがVer.22にアップデートされていましたが、リセット操作は「Perform SRI」をクリックするだけでした。

SRIリセットでは、特段のトラブルは発生しなかったので、本記事では操作方法自体は割愛します。

VCDSのAuto Scanで異常コードを確認する

SRIリセットが完了したら、車両に異常が発生していないかを確認するため、Auto Scanを行います。

VCDSのメニュー画面から「Auto-Scan」をクリックします。

車両設定では「Auto-detect(CAN only)」のデフォルト値のままにして、「Start」をクリックします。

OBD2がHEXプロトコル対応のみの車両の場合は、自動認識ができないため、プルダウンから車両型式を指定します。

参考までに、プルダウンから車両型式を選んでも同等の結果になります。間違った車両型式を選んでもVCDSはコードの読み出ししかしないので、「モジュールがない」等のエラーが多数出るだけで、自動車に悪影響が出るわけではなさそうです。

「Start」をクリックすると、すぐにスキャンが開始され、異常コードの読み出しが開始されます。

Audi TT(8J)の場合、スキャンされるモジュールコードは " 01 02 03 08 09 15 16 17 19 25 42 44 46 47 52 55"となっていますので、モジュール順にコードの読み出しが行われます。

チェック中は、メーターパネルの表示がおかしくなったり、オーディオが鳴らなくなったりしますが異常ではありませんので、スキャンが終了するまで待っていてください。

スキャンが終了すると、結果が表示されます。

Malfunction(異常)が発生していると赤文字表示になりますので、異常箇所は下部の詳細ログで確認することが出来ます。

このAudiの場合「16-ステアリング」でMalfunctionが出ていますが、詳細ログではアンテナ入力がないという結果ですしたので、VCDSが日本のカーオーディオに適合していないために誤検知しているものであり、異常では無いと考えています。

他に異常コードがあった場合は、部品に不良がある場合があるので、予防保守として部品は変えておいたほうが良いと思います。

過去にバッテリーを変えたとき、複数のMalfunctionが発生したことがあります。発生原因がわかっている場合は、特に気にせずリセット操作でも良いでしょう。

輸入車は定期メンテナンスを原則として設計されているようで、壊れる部分はきっちりと壊れます。この点においては日本車と価値観が違うようです。

特段のMalfunctionが無く、スキャンの結果は問題なしでした。

2021年10月よりOBD検査をする必要あり

2021年10月より、12ヶ月・24ヶ月点検においてOBD検査が義務化され、コンピュータ診断がより重要になってきました。

ただOBD2検査が出来ない車もまだまだ存在するので、まだメーターに異常表示がでてなければPassと認識してよいようです。

このAuto Scanの作業は、2021年10月に検査で義務化されたOBD検査と言われるものと同等ですが、業者に出すとこの検査をするだけで5,000円はとられるので、VCDSを使ったDYIは安上がりでいいです。

DIYといっても、VCDSはプロも使うツールですから、専門業者と実施しているレベルは同等です。

次回、24ヶ月定期点検簿の作成を行えば、ユーザー車検に持っていく準備が完了します。定期点検簿の書き方はまた記事にしたいと思います。